黄色の半袖シャツで姿勢よくこちらを向く佐々木泰士 アスリーダーズ株式会社代表取締役

ストレッチで業務効率アップ!体のケアから始まる モチベーションと業績の好循環

コロナ禍でのテレワークや外出自粛の影響で、運動不足や姿勢の悪化を気にする人が増えているようです※ 。日常の中にストレッチを取り入れることで仕事のパフォーマンスアップにつなげてもらおうと、ステップ編集部ではセルフストレッチの方法を動画で紹介しています。
教えてくれたのは、経営者やビジネスリーダー向けの完全予約制ストレッチジム「Businessストレッチ」を運営するアスリーダーズ株式会社代表取締役の佐々木泰士さんです。「ストレッチは会社と働く人を幸せにする」と話す佐々木さんに、ストレッチをする意味や効果を伺いました。

※ショップジャパン(株式会社オークローンマーケティング)が2020年6月に実施した「習慣的な運動・筋トレに関する調査」

取材・文・編集/ステップ編集部
撮影/山本 未紗子(株式会社BrightEN photo)

佐々木泰士さんプロフィール写真

佐々木泰士(ささき・たいじ)
アスリーダーズ株式会社 代表取締役、エグゼクティブトレーナー
1983年山形県生まれ。陸上自衛隊少年工科学校卒業。幼少期から剣道の指南を受け、高校時代は銃剣道や徒手格闘、射撃、レスリングにも励み、全国大会などで実績を残す。17歳から10年間、プロキックボクサーとしても活動し、日本ランカー(ランキング6位)になった。23歳からトレーナーとしても働き、引退後は日本最大手のストレッチ専門店に就職。売り上げ、指名件数で日本一を獲得し、指導したトレーナーも次々と日本一に。2016年に独立。経営者・ビジネスリーダーに特化したストレッチジム「Businessストレッチ」を銀座で経営している。著書に「最強のストレッチ 世界のエリートも実践する調整法」(フォレスト出版)。

首のストレッチで仕事のパフォーマンスを最大化

Businessストレッチは経営者やビジネスリーダー向けに特化しているそうですが、一般的なストレッチとはどのようなところが違うのでしょうか?

Businessストレッチは、首まわりの筋肉を整えることに特化しています。仕事中、特にパソコンを終日使うデスクワークの方や、営業等の外回りでもスマートフォンを頻繁に操作する方は、長時間、頭の位置や向きが一方向に固定された姿勢を続けることになります。頭は人体で一番重い部位で、それを細い首とその土台になる肩が支えています。頭の向きや位置を一定に保つには、肩と首の筋肉が硬く収縮し続けねばなりません。もちろん、それはほとんど無意識でやっていることなのですが、首の後ろや肩の筋肉がどんどん凝り固まっていきます。筋肉には血液を循環させるポンプのような役割があり、硬くなると血流が悪くなります。首には太い血管が通っているので、血流が悪化すると、心臓から脳に新鮮な酸素を届ける血液も、脳をフル回転させて酸素を消費した後、心臓に戻る血液も、スムーズに流れなくなります。結果、ビジネスで一番大切な脳のパフォーマンスが落ちるわけです。首の筋肉を整え、血流を改善してあげると脳の機能が向上するだけでなく、肩がずり上がったような不自然な姿勢も解消され、全身が疲れにくくなる効果もあります。

首の筋肉の状態が全身に影響するんですね。それは、対象を経営者・ビジネスリーダーに絞っている理由にもつながりますか?

会社にとって経営者の存在は、体で言うと「頭」にあたると思います。会社全体の方向性を考える脳であり、会社を代表する顔でもある。一言で表現すれば「頭」ですよね。ですから、経営者の心身の状態が良ければ、会社全体に良い影響を与えられると考えているんです。23歳からトレーナーの仕事を始め、日々さまざまな体と向き合っていると、経営者の方たちは日常的に体を鍛えている方も多く、全身の筋肉の質がいい人が多い一方、体の一部に無理がかかっていたり、さまざまな不調や睡眠に問題を抱えていたりすることに気づきました。それを効果的に解消できる方法として独自に開発したのがBusinessストレッチです。

ビジネスの世界では、組織のあり方や自分の内面を捉え直すことで問題を解決する「インサイド・アウト」という手法がありますが、ストレッチも「インサイド・アウト」の実践法の一つだと考えています。つまり、経営者が自分自身の体と心に向き合う手法の一つ。そうして心身を整えることで、ビジネス上の課題解決が可能になると考えています。言い換えれば、ストレッチは「自分を大切にするマネジメント」「自分を愛すること」です。自分をしっかり大切にできない人が、従業員を大切にできるでしょうか。大げさな表現になりますが、私は経営者の方へのストレッチを通して、よりよい会社づくりに参加している感覚でいます。

技術的な面で言うと、ヨガやピラティスにもストレッチの要素が入っていますし、内面を見つめ直すという点ではマインドフルネスと重なるところもあります。それらと比べても、ストレッチはわずか10秒からでもでき、とても簡単に日常に取り入れられるのが大きなメリットだと言えます。

「ストレッチは自分を大切にすることです」と話すアスリーダーズ株式会社代表取締役の佐々木泰士さん

ストレッチの効果を実感されたのは、トレーナーを始めてからですか?

私は30年以上ストレッチを続けています。剣道を始めた子どもの頃からけがが多く、両親に接骨院や整体院などいろいろ連れて行ってもらいました。けが予防のストレッチはしていましたが、その効果を実感したのは高校でレスリングを始めてからです。レスリングは柔軟性がないとできない競技なので、ストレッチをしっかりやるようにしたら体の調子は良くなるし、けがの治りも早くなって、「これはすごいな」と思いました。キックボクサーになってからは体のメンテナンスを自分でしなければならなかったですし、ストレッチ専門店でトレーナーもしていました。競技者としてセルフケアしていた知識と、独立しトレーナーとして経営者専門の24時間出張ストレッチをしていた経験から自分自身で体のコンディショニングができることの大切さを実感したので、Businessストレッチでは施術の最後に3分ほどのセルフストレッチをお伝えしています。

セルフケアできるようになると、Businessストレッチに通う人が減りそうですが……。

Businessストレッチに通うことは、「歯科医院に行くようなことですよ」とよくたとえるんです。虫歯ができてから歯医者さんに診てもらうのではなく、虫歯を予防するために定期的にメンテナンスに通うのと同じですね。体の不調が出る前に、目安としては月に1度来ていただいてトレーナーが体をベストな状態に整え、次に来るまでは自分でストレッチをしていい状態をキープしてもらうイメージです。通い始めの3カ月だけ、週1回来ていただいて毎回3分でできるセルフストレッチを教えます。3カ月後には約30分のセルフストレッチができるようになっているわけです。自分でできるところは自分で整えて、自分ではできないところをトレーナーが整えていくのが理想です。

Businessストレッチのトレーナーは、佐々木さんと同じように元アスリートの方が多いんですか?

アスリートのセカンドキャリアの受け皿になりたい、と思っていますが、まだ発展途上の段階です。Businessストレッチでは、まずはトレーナー養成のスクールに入ってもらい、基準に達したら業務委託契約をしてストレッチトレーナーとして関わってもらいます。実は、社名の「アスリーダーズ」には3つの意味を込めています。1つ目は「私たち(us)」のアス、トレーナー一人一人が主人公だから成り立つチームだと思っています。2つ目は「明日」のアス、未来のリーダー人材を育てている、という意識でやっています。3つ目が「アスリート」のアスで、アスリートのセカンドキャリアの場にしたい、というメッセージです。会社の理念で「Win-Win ALL Win」という言葉を掲げているんですが、メンバーたちと一緒にそんな思いを叶えていきたいと思っています。

自身が代表をつとめるアスリーダーズ株式会社について笑顔で話す佐々木泰士さん

社名のアスリーダーズには「アスリートのセカンドキャリアの場をつくりたい」という思いを込めたという

最後に今後の展望を教えてください。

Businessストレッチを通して、働く人たちの仕事効率を上げたり心身の状態を良くしたりして、世の中に広く求められるサービスにしていきたいです。引退を決めたきっかけが、東日本大震災でした。震災の翌日に初のタイトル戦への挑戦権がかかった試合を控えていたんですが2週間延期になり、その間、消防士の父や姉、義兄が被災地で人命救助をしていて、「自分のためだけに頑張っていていいんだろうか」と葛藤しました。試合ではラスト30秒で逆転され、判定負け。引退を決め、これからは人のために頑張ることにしました。現役時代から始めたストレッチトレーナーの仕事では、売り上げや指名件数で何度も日本一の称号を得ることができたので、自分ができることで一番喜んでもらえるストレッチの道に進むことを決めました。最初にお話したように、Businessストレッチは経営者と従業員の幸せを循環させるものだと思っています。その魅力をより多くの人に伝えていきたいです。

セルフストレッチの動画も公開!

オフィスや自宅で気軽にできるセルフストレッチを佐々木泰士さんが教える動画(約3分)も公開しています。ぜひご視聴ください。

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