エミーウォッシュに笑いかけ、除菌液を出している保育園の子どもたち

emmyWashが育む子どもたちの笑顔と社会への関心

感染症を防ぐだけではなく、笑顔あふれる健康的な毎日を提供したい――。そうした思いから、株式会社LaLaLandが運営する保育園では、笑顔を感知すると除菌液が出てくる製品emmyWash(エミーウォッシュ)を導入しています。保育園での導入事例は全国初だということです。同製品の設置場所や使い方の工夫、園児や保護者の反応について、同社代表のクレイカー芙美さんに伺いました。

取材・文/中澤 仁美(ナレッジリング)
撮影/山本 未紗子(株式会社BrightEN photo)
編集/ステップ編集部

「消毒×笑顔」に感じた+αの価値

弊社は現在6つの保育園を運営しており、その1つであるLaLaLand逗子(神奈川県逗子市)では、2020年2月からエミーウォッシュを導入しています。当園は定員40人の企業主導型保育園で、逗子駅から徒歩3分という利便性の高い立地。逗子市と隣接している横須賀市には米軍基地があるので、外国人の園児も通っていることが特徴の一つです。日本国籍の子どもが9割、外国籍の子どもが1割といったところでしょうか。多様性を重視しており、見た目や言葉、文化の違いを自然と認め合えるような保育を実践しています。

多様性を重視した保育を実践し、神奈川県内で保育園6園を運営する株式会社LaLaLand代表、クレイカー芙美さん

保育園は子どもたちの命を預かる現場なので、もともと衛生管理には力を入れていましたが、2020年からはコロナ禍という事態が加わり、より衛生面を重視する必要がありました。行政からのガイドラインなどに従うためにも、新しい対策を導入しなければならないと考えていた矢先、マイナビさんからの紹介でエミーウォッシュのことを知りました。

「笑顔になることで除菌液が出てくる」というコンセプトを聞き、導入まであまり時間はかかりませんでした。以前から「消毒に関するネガティブなイメージを少しでもハッピーなものに変えたい!」と思っていたからです。やはり、手指消毒をすることは子どもにとって煩わしいことですし、保育士たちが行う環境消毒も大変な作業だという実感がありますからね。また、スプレーボトルを使って手に除菌液を吹きかけるという従来のやり方には、どこか無機質な印象がありました。そのため、エミーウォッシュを使うことで少しでも笑顔になるきっかけが増えれば、ハッピーな気分で進んで手指消毒ができるのではないかと思ったわけです。

それから、利用された回数(=笑顔になった回数)に応じてemmy(エミー)いう単位の「お金」(1emmy=0.5円換算)が貯まっていき、社会的課題を解決するために使われるというコンセプトにも意義を感じました。せっかく何か行うのであれば、+αの価値があり、社会貢献につながるほうが魅力的ですからね。

子どもたちの興味をつかむモード選択

LaLaLand逗子では、導入したエミーウォッシュを関係者全員(園児、園児の保護者、保育士)が使えるように、玄関に設置しています。現在はコロナ対策の一環として、園児の送迎に来られた保護者は園の中までは入らず、玄関で受け渡しするようにしているので、玄関にエミーウォッシュを置くと皆で使えるわけです。

園児や保育士たちの間では、園内に入ったらいったんマスクを外し、エミーウォッシュで消毒するという流れが定着しています。最初は戸惑ったかもしれませんが、玄関に貼り紙をして「笑顔を見せることで除菌液が出る」「笑顔の数に応じて『エミー』が貯まっていき、社会貢献に生かされる」といったポイントを伝えたところ、徐々に理解が深まっていきました。

玄関に設置したemmyWashで手指を消毒する園児たち。送迎の際に保護者や保育士も使う

ただ、子どもたちにとっては、エミーウォッシュは盤面がピカピカ光ったり音が鳴ったりするのが楽しくて仕方ないようで、おもちゃにしてしまうのが悩みの種でした。そこで、子どもたちの手の届くところに置いていたものを、届かないところへ移すことにしました。今は、基本的には子どもが使うときに下ろしたり、保育士が子どもを抱き上げて使わせたりしています。

一方で、エミーウォッシュに対する子どもたちの興味は大切にしたいので、適宜モードを変えて気を引くように工夫しています。エミーウォッシュを正面から見ると、盤面の真ん中に顔が映り、その周囲をLEDランプが取り囲んでいます。笑顔であることが検知されるとLEDが光り、除菌液がシュッと出てくるわけです。5種類のモード設定で光や音を出すか出さないかなどを選ぶことができ、簡単に切り替えることもできます。LEDのカラーは赤、緑、青、紫、黄の5色。音は日本語や英語交じりのポップなものです。子どもたちは、最初は興味津々でも、だんだんと飽きていってしまうところがあるので、このようにモードが充実しているのもありがたい点の一つだと思います。

地球環境や社会課題が身近になるきっかけに

保育士たちは、盤面がピカピカと光る様子や愛らしいデザインに接して、「面白そう」「かわいい」と言いながら楽しそうに使っています。立場上、感染対策に神経を尖らせる必要があり、ともすれば疲弊してしまう恐れもある中で、エミーウォッシュを使うことで笑顔になるきっかけができ、気分転換になっているようです。保育士という職業柄、「笑顔になるのは恥ずかしい」といった使いづらさを聞くことはなく、子どもたちと一緒に進んで使ってくれています。

使う場面は、園の行き帰りだけではなく、お昼ご飯の前、お散歩から帰ってきた後など様々。毎日の活動の動線上にエミーウォッシュがうまく溶け込んでいるようです。子どもたちは「ワー」「キャー」と言いながら光や音に反応しています。保育士が「二コってやってみよう!」と声かけしながらエミーウォッシュを使わせることで、感染対策上の話だけではなく精神的な意味でもホッとする空間ができあがっています。

「逗子の方々はSDGsに理解があり、emmyWashのコンセプトと親和性が高い」と話すクレイカーさん。盤面はLaLaLandオリジナルデザイン

保護者の方々の受け入れもスムーズでした。これは逗子という土地柄もあったかもしれません。自然派のライフスタイルが好まれ、SDGs※ に対する理解度も高い方が多いです。そのため、「これいいね!」と思うものにも似ているところがあります。エミーウォッシュはSDGsの目標達成に向けた取り組みも意識しているため、そうした方々の興味・関心を引きやすかったのだろうと思っています。

※2015年9月の国連サミットで採択された、持続可能な開発目標のこと。

今後は、LaLaLandの系列園でもエミーウォッシュを導入していきたいですね。系列の横須賀インターナショナル保育園(神奈川県横須賀市)は、市内の保育園として唯一のバイリンガル教育を実践しており、英語と日本語をバランスよく学べることが特徴です。もしかしたら、その園が次に導入しやすいかもしれません。逗子と同じように、ここの保護者の方々もエミーウォッシュのコンセプトと親和性が高いように思うからです。

逗子や横須賀の園に限らず、地球環境や社会的課題についての子どもたちの興味・関心を育むように関わることは、弊社にとって大切な保育理念の一つです。私たちの園で育った子どもたちが、将来、自分たちの身の回りの小さなことから真剣に考え、ポジティブに行動できるよう育ってくれたらうれしいですね。エミーウォッシュを毎日使う中で笑顔と感染対策が習慣化していく。それが回りまわって社会貢献につながっていくというユニークな仕組みが、子どもたちを明るい未来へいざなってくれると信じています。

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