過重労働とは、時間外・休日労働が、月100時間を超えること、もしくは2~6ヵ月平均で月80時間を超えることです。
2019年4月には、時間外労働に関する法改正も行われ「時間外労働(休日労働は含まず)の上限は、原則として1ヵ月45時間・1年間360時間」と定められています。
なお、時間外労働や休日労働が1ヵ月で45時間を超えて長くなるほど、業務と脳・心臓疾患の発症との関連性が強まるといわれているほか、長時間労働は疲労の蓄積をもたらす要因となるため健康障害にもつながると言われています。
また、疲労の蓄積により集中力が低下し、仕事中のケガやミスなどにつながるおそれもあります。
こうした背景から厚生労働省は、労働時間を減らす働き方改革に取り組む試みとして推奨しているのが、年次有給休暇が10日以上付与された従業員に対する「年5日の年次有給休暇の確実な取得」の義務化や勤務終了後、翌日の出社までのあいだに一定時間以上の休息時間を設ける「勤務間インターバル制度」、定時退社日を設定する「ノー残業デー」です。
ほかにも、健康診断の実施および健康診断結果を踏まえた適切な事後措置の実施、健康相談ができる窓口や衛生委員会の設置も推奨しています。
【参照】
<監修者> 丁海煌(ちょん・へふぁん)/1988年4月3日生まれ。弁護士/弁護士法人オルビス所属/弁護士登録後、一般民事事件、家事事件、刑事事件等の多種多様な訴訟業務に携わる。2020年からは韓国ソウルの大手ローファームにて、日韓企業間のM&Aや契約書諮問、人事労務に携わり、2022年2月に日本帰国。現在、韓国での知見を活かし、日本企業の韓国進出や韓国企業の日本進出のリーガルサポートや、企業の人事労務問題などを手掛けている。 |