用語集

HCX(ヒックス)

読み:ひっくす

HCX(ヒックス)とは、Human Capital Transformationの略称であり、「人的資本の変革」を意味する新しい概念です。
人という資本を最大化することを目指した「健康経営」の次なる進化として、HCXは提唱されています。

健康経営とは、従業員の健康保持・増進の取り組みが、将来的に収益性などを高める投資であるとの考えのもと、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践することです。
今まで「ヒト・モノ・カネ・情報」は企業のコストとして捉えられていましたが、健康経営は従業員を代替不可能な「人財」と捉え、その資源を戦略的投資によって資本化することを目指しています。
また、健康経営は、日本再興戦略、未来投資戦略に位置づけられた「国民の健康寿命の延伸」に関する取り組みのひとつとなっており、経済産業省も推進しています。

HCXは、その健康経営の考え方をアップデートしていく概念であり、「生産→消費→廃棄」のサイクルを繰り返してきた消費型社会から、「循環→再生→持続」という循環型社会への変化に対応できる人財を増やしていくしくみづくりとして注目されています。
また、HCXという概念が誕生した背景のひとつとしては、国連が2015年に制定したSDGsに代表されるグローバル・アジェンダの存在もあります。グローバル・アジェンダのテーマは、大きく分けると「カーボンニュートラル」「再生エネルギー」「サスティナブルな産業システム」の3つです。グローバル・アジェンダは、それらのテーマを世界が共有し、推進していくことを目指しています。 つまり、産業構造も「競争」から「共創」の時代になったと捉えることができます。

産業のサイクルシステムも、SDGsやESGの取り組みと連動し、「生産→消費→廃棄」から「循環→再生→持続」の時代に変化する必要があり、今まさに産業構造の転換というパラダイムシフトが起き始めているのです。
なお、SDGsなどに関連した産業構造の転換は、「リスキリング」にもつながるものです。人的資本という概念が注目され、政府も企業も人材のリスキリングの在り方に関する議論を始めています。

人を資本とする新たな経営マネジメントは、従来の「管理」から「価値創造のために人を活かす」といった思考の転換が必要です。人が仕事場を選ぶ「ジョブ・チョイス」または「ワーク・チョイス」といった視点も主流となっていくでしょう。HCXは、人的資本を最大化するしくみとして、これからの社会において重要な役割を担っていくと考えられています。(※)

(※)HCXは下記リンク先の著者である平野治、荒尾裕子が提唱する新しい概念です。
【参照】日経研月報「『日経研月報』特集より 健康経営の次なる進化~人的資本の変革(HCX)~」|一般財団法人 日本経済研究所(2023年1-2月号) https://www.jeri.or.jp/survey/%E5%81%A5%E5%BA%B7%E7%B5%8C%E5%96%B6%E3%81%AE%E6%AC%A1%E3%81%AA%E3%82%8B%E9%80%B2%E5%8C%96%EF%BD%9E%E4%BA%BA%E7%9A%84%E8%B3%87%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%A4%89%E9%9D%A9%EF%BC%88hcx%EF%BC%89%EF%BD%9E/

関連用語

新着記事

メガメニューを一時的に格納するセクション(削除しないでください)
越境学習セミナー&商談会のご案内
「健康経営」に関する講演・研修の講師をお探しならBring.
Bring. YouTubeチャンネル
女性活躍推進
福利厚生

人気記事

カテゴライズ

マイナビ健康経営 用語集
マイナビ健康経営 國貞克則先生に聞く「決算書の読み方 初心者向け」全6回

人気のタグ