看護休暇とは?取得条件や制度の注意点、助成金を解説

看護休暇 とは?2025年施行の法改正や取得条件、注意点、助成金を解説

近年は子育てと仕事を両立する人が増えてきました。しかし、幼い子供は急な発熱などといった体調悪化が起こりやすいため、仕事中に子供の体調が気になってしまう人も多いでしょう。

子の看護等休暇は、幼い子供を持つ人の仕事と子育てを支援する制度です。ワークライフバランスの実現を目指す経営者や労務担当者の方には、子の看護等休暇への正確な理解が欠かせません。

本記事では、子の看護等休暇とはどのような制度であるのか分かりやすく解説します。2025年施行の法改正を踏まえた子の看護等休暇の取得条件や取得日数と給与の定め方、制度設定における注意点、看護休暇導入における国からの助成金についても紹介しますので、子の看護等休暇制度の取り扱いに悩んでいる方は、本記事をお役立てください。

目次[非表示]

  1. 1.子の看護等休暇とは、幼い子供を育てる人の仕事と子育てを支援する制度
    1. 1.1.ほかの休暇・欠勤との取り扱いの違い
    2. 1.2.子の看護等休暇と介護休暇の違い
    3. 1.3.子の看護等休暇と介護休暇の対象の違い
  2. 2.2025年施行の法改正による子の看護休暇の変更ポイント
    1. 2.1.休暇の名称が変更
    2. 2.2.子供の対象範囲が拡大
    3. 2.3.取得事由の拡大
    4. 2.4.労使協定による除外規定の見直し
  3. 3.子の看護等休暇の対象者はほぼ全ての労働者
  4. 4.子の看護休暇が見直された背景
  5. 5.子の看護等休暇の導入にあたってすべきこと
    1. 5.1.就業規則に記載する
    2. 5.2.申請方法を明確にしておく
    3. 5.3.制度を全社に周知する
  6. 6.子の看護等休暇の取得日数と給与の定め方
    1. 6.1.子の看護等休暇の取得日数
    2. 6.2.子の看護等休暇の給与の定め方
  7. 7.子の看護等休暇制度の注意点
    1. 7.1.労働者は希望日時に子の看護等休暇を取得できる
    2. 7.2.労働者の勤怠管理に注意する
    3. 7.3.子の看護等休暇の内容を就業規則に記載する
    4. 7.4.休暇時間数が所定労働時間を超えないよう注意する
  8. 8.仕事と家庭の両立を支援する事業者が注目したい「両立支援等助成金」
    1. 8.1.出生時両立支援コースによる助成金の受給条件
    2. 8.2.出生時両立支援コースの支給額
    3. 8.3.育休中等業務代替支援コースによる助成金の受給条件
    4. 8.4.育休中等業務代替支援コースの支給額
  9. 9.両立支援等助成金の支給を受ける際の注意点
  10. 10.男女双方の従業員が仕事と育児等を両立できる社内環境を整備していきましょう

子の看護等休暇とは、幼い子供を育てる人の仕事と子育てを支援する制度

子の看護等休暇とは、小学校3年生修了までの子供が病気やケガをした際など、看護等が必要なときに企業から従業員に与えられる休暇制度です。
従業員の子供が1人であれば1年で5日まで、2人以上の場合は最大10日まで休暇の取得が可能です。有給休暇とは別に取得できる休暇であり、2005年から労働者の権利として育児・介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)で義務化されました。

また、2025年4月からは法改正により、「看護休暇」の名称が「子の看護等休暇」に変わり、対象年齢も拡大しました。まずは、子の看護等休暇の特長を押さえるために、ほかの休暇との違いや、介護休暇との違いについて見ていきましょう。

【参照】厚生労働省「育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法の2024(令和6)年改正ポイント」|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/ikuji/point02.html

ほかの休暇・欠勤との取り扱いの違い

子の看護等休暇は、法律で定められた休暇です。企業が子の看護等休暇を無給の欠勤扱いにするかどうかは、企業の裁量に任されていますが、欠勤とする場合であっても、通常の欠勤と子の看護等休暇での欠勤は別扱いにすることが必要です。

また、育児・介護休業法では、子の看護等休暇の取得によって従業員に不利益が発生することを禁止しています。そのため、企業は子の看護等休暇とほかの休暇を査定項目で区別する規則も制定しなければなりません。 子の看護等休暇の扱いは就業規則などに記載し、雇用契約時点での労使双方の同意が必要です。

【参照】厚生労働省「厚生労働省「Ⅳ子の看護等休暇制度」|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000355367.pdf

子の看護等休暇と介護休暇の違い

子の看護等休暇と似ている休暇制度としては、介護休暇が挙げられます。介護休暇も子の看護等休暇と同様に、育児・介護休業制度で定めている休暇制度です。介護休暇の取得日数は、家族1人につき年間5日が上限であり、看護休暇とよく似ています。
子の看護等休暇が子育てと仕事の両立を促すのに対して、介護休暇は要介護状態の家族を持つ従業員が、介護のための休暇を取りやすくなる制度です。介護休暇は、下記の事由により取得できます。

<介護休暇を取得できる事由の例>

  • 介護サービスの手続きのフォロー
  • 食事の世話や排せつなどの身体介護
  • 通院への付き添い
  • ケアマネージャーや介護職員との打ち合わせ

子の看護等休暇と介護休暇の対象の違い

子の看護等休暇は小学校3年生修了までの幼い子供を持つ従業員が対象者であるのに対して、介護休暇の対象者は要介護状態の家族がいる従業員です。介護休暇の対象となる被介護者は、下記のとおりです。

<介護休暇の対象となる被介護者の例>

  • 事実婚を含む配偶者
  • 実父母
  • 配偶者の父母・子
  • 同居かつ扶養している祖父母・兄弟姉妹・孫

被介護者との間柄が上記の範囲に入らない場合、介護休暇は取得できません。なお、介護休暇の取得可能日数は、子の看護等休暇と同様に対象家族が1人であれば1年で5日まで、2人以上の場合は最大10日までです。

【参照】厚生労働省『通院の付添いなどで短時間の休みが必要な時は、「介護休暇」を活用しましょう。』|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/kaigo/holiday/index.html

【おすすめ参考記事】

2025年施行の法改正による子の看護休暇の変更ポイント

2025年4月から施行された改正育児・介護休業法により、子の看護休暇の名称や制度内容が見直されました。ここでは、今回の法改正で変更された4つの主要ポイントについて解説します。

■法改正による子の看護休暇の変更ポイント

改正内容

改正前

改正後

名称

子の看護休暇

子の看護等休暇

子供の対象範囲

小学校就学前まで

小学校3年生修了まで

取得事由

  1. 病気・けが
  2. 予防接種・健康診断
  1. 病気・けが
  2. 予防接種・健康診断
  3. 感染症に伴う学級閉鎖等
  4. 入園(入学)式、卒園式

労使協定による継続雇用期間 〈除外できる労働者〉

  1. 週の所定労働日数が2日以下
  2. 継続雇用期間6ヵ月未満 〈除外できる労働者〉
  1. 週の所定労働日数が2日以下
  2. 改正前の「2」は撤廃

休暇の名称が変更

まず、制度の名称が「子の看護休暇」から「子の看護等休暇」へと変更されました。これは、休暇の取得理由が病気やけがの看護だけでなく、その他の育児関連の対応にも拡大された点を反映したものです。名称変更により、対象となる事由が多様化したことが明確に示されています。

子供の対象範囲が拡大

従来は、小学校就学前の子供に限定されていた対象範囲が、改正後は「小学校3年生修了まで(満9歳に達する日以後の最初の3月31日) 」に広がりました。これにより、小学生の子供を持つ親も、より柔軟に休暇を取得できるようになります。特に、小学校低学年はまだ体調管理において保護者のサポートが必要な場面が多いため、実用性の高い改正といえるでしょう。

取得事由の拡大

改正前は、「病気・けが」や「予防接種・健康診断」のために休暇が取得可能でしたが、改正後はさらに、「感染症に伴う学級閉鎖等」や「入園式・入学式・卒園式」への出席も対象となりました。これにより、急な学級閉鎖や節目の行事にも対応しやすくなり、仕事との両立により配慮した制度設計となっています。

労使協定による除外規定の見直し

これまで、労使協定により「継続雇用期間が6ヵ月未満」や「週の所定労働日数が2日以下」の労働者は子の看護休暇の対象外とされていました。しかし今回の改正により、「継続雇用期間6ヵ月未満」の除外規定が撤廃され、より多くの労働者が公平に制度を利用できるようになりました。非正規雇用者や短期雇用者にとっても大きな前進といえる改正です。

子の看護等休暇の対象者はほぼ全ての労働者

子の看護等休暇の対象者は、前項で触れた「週の所定労働日数が2日以下」の労働者を除き、小学校3年生修了までの子供がいる労働者です。正社員のみならず、契約社員やパート・アルバイトもこの制度の対象であり、ほぼ全ての労働者が対象となっています。なお、共働きの有無にかかわらず、配偶者が専業主婦(夫)であっても、子の看護等休暇を取得することは可能です。

また、企業が独自で子の看護等休暇取得の対象を、育児・介護休業法の規定以上に拡大することもできます。小学校4年生以降の子供の看護も休暇の対象とするなど、充実した看護休暇制度を整備すれば、子育てと仕事の両立がしやすい企業として、労働者ロイヤルティの向上も期待できるでしょう。

【参照】厚生労働省「厚生労働省「Ⅳ子の看護等休暇制度」|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000355367.pdf

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子の看護休暇が見直された背景

法改正により、2025年に「子の看護休暇」が大きく見直された背景には、現代の社会情勢と働き方の変化が深く関係しています。特に注目すべきは、「共働き世帯の増加」「少子化の進行」そして「育児と仕事の両立に対する社会的ニーズの高まり」です。

近年、共働き世帯の数は年々増加しており、子供の看護や学校行事への対応が必要になった際、柔軟に休暇を取得できる制度が求められてきました。従来の制度では対象となる子どもの年齢や取得理由が限られていたため、実情に合っていないという声も少なくありませんでした。

また、少子化が深刻化する中で、子育てしやすい社会環境を整備することは、日本社会における重要な政策課題となっています。育児にかかる負担を軽減し、家庭と仕事の両立を支援する制度の整備は、出生率の回復を目指すうえでも不可欠です。

さらに、育児と仕事を両立する人が増え、企業にも柔軟な働き方や福利厚生の充実が強く求められるようになっています。こうした社会的要請に応えるかたちで、子の看護休暇制度が拡充され、より多くの労働者が安心して子育てできる環境づくりが進められています。

子の看護等休暇の導入にあたってすべきこと

「子の看護等休暇」は法律に基づいた制度である一方、実際の運用は企業ごとに異なります。そのため、制度導入にあたっては社内規定の整備や運用体制の明確化が不可欠です。ここでは、子の看護等休暇をスムーズに導入・運用するために企業が行うべき基本的な対応を紹介します。

就業規則に記載する

「子の看護等休暇」を社内制度として導入するにあたって、まず行うべきは就業規則への明記です。厚生労働省の指針でも、休暇制度の内容を就業規則に定めることが推奨されています。制度の透明性と従業員への公平な運用を図るためにも、以下のような項目を明記しておくことで、トラブルの防止やスムーズな運用につながります。

<就業規則に明記すべき制度内容の例>

  • 対象となる労働者の範囲
  • 対象となる子供の年齢・条件
  • 取得可能日数や時間単位
  • 取得可能な理由(病気・けが、行事出席など)
  • 申請手続きの方法
  • 賃金の取扱い など

なお、育児・介護休業法の改正では、2025年4月から施行された子の看護等休暇の見直しに続き、2025年10月には3歳から小学校就学前の子を養育する労働者に対して、次の2点が企業の義務として新たに加わります。

  • 柔軟な働き方を実現するための措置等(始業時刻等の変更・テレワーク・短時間勤務などを選択実施)

  • 仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮

したがって、就業規則を見直す際は、4月施行の子の看護等休暇制度に加え、10月施行の上記2点についても併せて整備しておくことが必要です。

【参照】厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内 令和7(2025)年4月1日から段階的に施行」|厚生労働省(2024年12月)
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001259367.pdf

申請方法を明確にしておく

子の看護等休暇の申請方法には法律上の詳細な規定がないため、企業が独自にルールを定める必要があります。口頭、電話、メール、社内システムなど、申請手段は柔軟に設定可能です。

重要なのは、従業員が「どうやって・いつまでに・誰に」申請すればよいのかを明確にしておくことです。業務に支障をきたさず、かつ従業員にとっても利用しやすい仕組みを整えましょう。また、急な病気や学級閉鎖などに対応するため、当日の電話やメールなどによる申請も柔軟に受け入れる体制を検討することが望まれます。

制度を全社に周知する

子の看護等休暇制度の利用を促進するには、全社的な周知が不可欠です。そのためには、以下のような手段を組み合わせて行うと効果的です。

<制度の周知方法>

  • 制度の概要を記載した社内資料の配布
  • 社内説明会の開催
  • 社内ポータルや掲示板への掲載
  • メールによる案内

特に、育児中の従業員にとっては、制度の存在を知らないことが利用の障壁となるケースが少なくありません。管理職にも正しい知識を持ってもらい、利用を妨げない職場環境づくりを推進することが、制度の定着にとって重要です。

【参照】厚生労働省 都道府県労働局雇用環境・均等部(室)「就業規則への記載はもうお済みですか‐育児・介護休業等に関する規則の規定例‐」|厚生労働省(2022年10月)
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000685055.pdf

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子の看護等休暇の取得日数と給与の定め方

子の看護等休暇の時間や給与の扱いは、企業によってさまざまです。有給として取り扱う場合は、助成金などを充当することで企業側の負担を少なくすることも可能です。子の看護等休暇が有給か無給かは、企業に対する福利厚生の満足度に影響するため、慎重な判断が求められます。

労働者が子の看護等休暇を取得しやすい職場環境にするには、雇用時に看護休暇制度の内容について詳しく説明することも大切です。ここでは、子の看護等休暇の取得日数と給与の定め方について紹介します。ぜひ制度設計の参考にしてください。

【参照】厚生労働省「事業主の方への給付金のご案内」|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/ryouritsu01/index.html

子の看護等休暇の取得日数

子の看護等休暇の取得日数は、小学校3年生修了までの子供1人につき1年間に最大5日です。なお、子供が複数いる場合は取得日数が異なります。子供の人数や休暇対象の詳細は、下記のとおりです。

<子供が複数いる場合の子の看護等休暇取得日数>

  • 小学校3年生修了までの子供が2人の場合は、1年間に10日取得可能
  • 子供が3人以上の場合も、1年間に10日が限度
  • 子供が複数人いる場合は、その中の1人の看護で10日取得することも可能

【参照】厚生労働省「厚生労働省「Ⅳ子の看護等休暇制度」|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000355367.pdf

子の看護等休暇の給与の定め方

子の看護等休暇における給与については、法律で規定が設けられていないため、有給・無給のいずれでも問題はありません。しかし、子の看護等休暇は育児・介護休業法で定められた休暇であるため、休暇を取得した労働者に不利な扱いを行うことは禁止されています。
子の看護等休暇の給与を定める際には、下記に挙げる確認事項を押さえておきましょう。

<子の看護等休暇の給与を定める際の確認事項>

  • 有給か無給にするかは、企業の判断で決定できる
  • 子の看護等休暇の内容については就業規則に明確に記載し、企業・労働者双方で同意をする
  • 給与規定には、子の看護等休暇の取得は査定対象とはならない旨の規定を定めておく
  • 子の看護等休暇を無給にする場合は、「通常の欠勤」と区別しておく
  • 子の看護等休暇の取得によって、実際の欠勤日数を超えて給与を減額したり、賞与や昇給で不利益な算定を行ったりすることは禁じられている

【参照】都道府県労働局雇用環境・均等部(室)「就業規則への記載はもうお済みですか‐育児・介護休業等に関する規則の規定例」|厚生労働省(2022年10月)
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000685055.pdf

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子の看護等休暇制度の注意点

子の看護等休暇制度を導入・管理する際には、いくつかの注意点があります。従業員が活用しやすい制度を作るためにも、下記に挙げる注意点を押さえておきましょう。

労働者は希望日時に子の看護等休暇を取得できる

企業には、労働者が休暇の取得を希望した時季が事業運営を妨げると判断された場合、ほかの時季に休暇を変更できる権利(時季変更権)があります。
しかし、子の看護等休暇は子供の病気やケガなどに対応するためのものであり、休暇の希望日時を変えることは困難です。そのため、子の看護等休暇において、企業は時季変更権の行使はできません。
【参照】都道府県労働局雇用環境・均等部(室)「就業規則への記載はもうお済みですか‐育児・介護休業等に関する規則の規定例」|厚生労働省(2022年10月)
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000685055.pdf

労働者の勤怠管理に注意する

前述したように、2021年1月から子の看護等休暇は時間単位での取得が可能になりました。しかし、看護休暇の取得単位には、下記のような適用条件が設けられているため、従業員の勤怠管理には注意が必要です。

<子の看護等休暇の取得単位の適用条件>

  • 取得時間数が合計で1日の所定労働時間に相当する場合は、1日分の子の看護等休暇の取得として扱う
  • 1日の所定労働時間を1時間単位としていない場合は、端数を繰り上げた時間数を所定労働時間として扱う

【参照】厚生労働省「厚生労働省「Ⅳ子の看護等休暇制度」|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000355367.pdf

子の看護等休暇の内容を就業規則に記載する

育児・介護休業等に関する規定は、労働者が休暇の取得を申請することで法的な効果が生じます。企業が子の看護等休暇制度を導入する際は、先述したとおり、法律で規定されている要件をもとにした項目を就業規則に記載する必要があります。

休暇時間数が所定労働時間を超えないよう注意する

休暇を取得できる時間は、所定労働時間数に満たない範囲です。所定労働時間が7時間の場合であれば、取得可能な休暇の時間は1~最大7時間です。休暇の時間数が所定労働時間を超えることがないよう注意しましょう。

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仕事と家庭の両立を支援する事業者が注目したい「両立支援等助成金」

子の看護等休暇を就業規則で定めている場合、企業は両立支援等助成金を利用できる可能性があります。両立支援等助成金は、仕事と家庭の両立支援を促進し、雇用安定につなげるための助成金です。
ここでは、両立支援等助成金の「出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)」と、「育休中等業務代替支援コース」の受給条件や受給額などについて見ていきます。

出生時両立支援コースによる助成金の受給条件

出生時両立支援コースは、男性の労働者が育児休業を取得しやすい雇用環境を整備・実施している企業に向けた助成金です。出生時両立支援コースは、大きく第1種と第2種に分けられており、大まかな違いは下記のとおりです。

<出生時両立支援コースの種類>

  • 第1種:男性が育児休業取得するための雇用環境を整備・実施している
  • 第2種:男性の育児休業取得率を向上させている

出生時両立支援コースの支給額

出生時両立支援コースの支給は第1種、第2種ともに1回限りです。それぞれの支給額は下表のとおりです。



支給額

第1種
(男性の育休取得)

対象労働者が子の出生後、8週以内に育休開始

1人目 20万円

2~3人目 10万円

第2種
(男性の育休取得率の上昇等)

育休取得率が30%以上UP & 50%達成等

60万円

※第2種申請後の第1種申請および同一年度内に第1種・第2種両方の申請できない
※第1種の対象となった同一の育児休業取得者の同一の育児休業について、育児休業等支援コース(育休取得時等)との併給はできない

育休中等業務代替支援コースによる助成金の受給条件

育休中等業務代替支援コースは、育児休業や育児短時間勤務を取得・利用する労働者の業務を代替する体制の整備を支援するための助成金です。
事業主が短時間勤務制度利用者の業務をフォローしている労働者に手当等を支払っている場合や、代替する労働者を新規雇用または新規で派遣の受け入れをした場合などを対象に支給されます。

育休中等業務代替支援コースの支給額

育休中等業務代替支援コースには、育児休業中の手当支給と、育児短時間勤務中の手当支給、育児休業中の新規雇用を行っており、一定の要件を満たした企業に支給されます。それぞれの支給額は下表のとおりです。

■育児短時間勤務中の手当支給

種別

要件

支給額

手当支給等(育児休業)

育児休業取得者の業務代替者に手当を支給

最大140万円(A+B)、うち最大30万円を先行支給

A 業務体制整備費:最大20万円

B 業務代替手当 :最大120万円(手当支給総額の3/4)

手当支給等(短時間勤務)

短時間勤務者の業務代替者に手当を支給

最大128万円(A+B)、うち最大23万円を先行支給

A 業務体制整備費:最大20万円

B 業務代替手当 :最大108万円(手当支給総額の3/4)

新規雇用(育児休業)

育休取得者の業務代替要員を新規雇用または派遣で受入

最大67.5万円(代替期間に応じた額を支給)

・最短(7日以上14日未満): 9万円

・最長(6ヵ月以上) :67.5万円

※すべての種別を合わせて1年度10人まで、初回から5年間支給。その他要件あり

【参照】厚生労働省・都道府県労働局「2025年度 両立支援等助成金のご案内」|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/001472912.pdf

両立支援等助成金の支給を受ける際の注意点

両立支援等助成金の支給を受けるには、申請した内容の審査に協力する必要があります。
例えば、「支給または不支給を決定する審査に必要な書類などの資料を適切に保管している」「審査に必要な書類などの提出に応じる」「申請期間内に申請できる」「管轄労働局による実地調査を受け入れる」など、支給のための審査に協力できることを確認してから両立支援等助成金は申請しましょう。

【参照】厚生労働省「両立支援等助成金申請のご案内」|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/ryouritsu01/index.html

男女双方の従業員が仕事と育児等を両立できる社内環境を整備していきましょう

子の看護等休暇は、小学校3年生修了までの小学校就学前の子供を育てる労働者を支援する、育児・介護休業法に定められた法定休暇制度です。正社員だけではなくパート・アルバイトも対象者となるため、多くの労働者の仕事と育児の両立を促すことができます。また、法律の定めを上回る子の看護等休暇制度を導入すれば、国から助成金を受給できる可能性もあります。

人材確保競争が激化していく中で育児等の負担による従業員の離職を防ぐことは、企業における重要課題です。男女双方の従業員が仕事と育児等を両立できる社内環境の整備は企業イメージの向上に寄与し、生産性向上や優秀な人材確保・定着にもつながるでしょう。
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<監修者>
丁海煌(ちょん・へふぁん)/1988年4月3日生まれ。弁護士/弁護士法人オルビス所属/弁護士登録後、一般民事事件、家事事件、刑事事件等の多種多様な訴訟業務に携わる。2020年からは韓国ソウルの大手ローファームにて、日韓企業間のM&Aや契約書諮問、人事労務に携わり、2022年2月に日本帰国。現在、韓国での知見を活かし、日本企業の韓国進出や韓国企業の日本進出のリーガルサポートや、企業の人事労務問題などを手掛けている。

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