健康資源シートとは、健康投資によって企業内に蓄積している健康資源を「見える化」するために、企業が活用できるシートです。経済産業省の「健康投資管理会計 実践ハンドブック」によると、健康投資の費用とその効果を認識し、できるだけ客観的に測定・伝達するための健康投資管理会計を実践する上では、4つのシートを順に作成することが推奨されています。健康資源シートは、その中で4番目に作成するシートです。
健康資源は、①従業員等を取り巻く企業の内部環境(有形・無形)を指す「環境健康資源」と、②従業員等の健康状態やヘルスリテラシー等を指す「人的健康資源」の2つに分類されます。健康資源シートにこれらの定量的、もしくは定性的な情報を記載していくことで、実施すべき施策の検討に役立つと考えられます。また、毎年の健康投資によって環境健康資源が蓄積していくことで、より効率的に健康投資効果を出せるようになることも期待されます。
「①環境健康資源」の例としては、「社内設備」や「健康管理ツール」などの有形資源が挙げられます。無形資源には「明確化された理念・方針、コミットメント」「具体的な制度・体制」「理念や制度により培われてきた風土」などが該当します。
「②人的健康資源」には、従業員の「身体的・心理的健康状態」「健康状態による労働生産性等への影響」「意識変容・行動変容」などのほか、「健康情報・プログラムへの積極性」や「周囲への影響力」なども含まれます。
【参照】
健康経営に取り組む優良な法人を顕彰する「健康経営優良法人認定制度」における区分の一つ「中小規模法人部門」は、従業員数や資本金(または出資金)額が一定基準までの企業等が対象です。