従業員のスキルアップに関して企業が活用できる助成金のひとつに、厚生労働省の「産業雇用安定助成金(スキルアップ支援コース)」があります。
これは、在籍型出向(従業員が出向元企業と出向先企業の両方と雇用契約を結び、出向先企業に一定期間継続して勤務すること)により従業員のスキルアップを行い、出向から復帰した際の賃金を「出向前と比較して5%以上」上げた場合等の要件を満たせば、出向させた側の企業に対して、負担した出向中の賃金の一部を助成するものです。自社にはない新たなスキルを他企業での経験によって習得し、従業員のスキルアップを図ることを目的としています。
なお、産業雇用安定助成金(スキルアップ支援コース)で出向を実施する際は、従業員本人の同意を得なければなりません。また、助成金を受給するためには、出向元企業があらかじめ出向の内容を計画届としてまとめ、事前に都道府県労働局またはハローワークへ届け出る必要があります。
スキルアップ支援コースの対象となるのは、下記の要件を満たした在籍出向です。
<スキルアップ支援コースの対象となる在籍出向>
【おすすめ参考記事】
【参照】
<監修者> 丁海煌(ちょん・へふぁん)/1988年4月3日生まれ。弁護士/弁護士法人オルビス所属/弁護士登録後、一般民事事件、家事事件、刑事事件等の多種多様な訴訟業務に携わる。2020年からは韓国ソウルの大手ローファームにて、日韓企業間のM&Aや契約書諮問、人事労務に携わり、2022年2月に日本帰国。現在、韓国での知見を活かし、日本企業の韓国進出や韓国企業の日本進出のリーガルサポートや、企業の人事労務問題などを手掛けている。 |
在籍出向で従業員のスキルアップを支援するなら、助成金への理解も必要です。「産業雇用安定助成金」の仕組みやメリット、手続き方法のほか、注意点などを解説します。
在籍型出向を支援する、産業雇用安定助成金は「経営が厳しいが社員の雇用を守りたい」と考えている企業が活用できる制度。社会保険労務士の深石圭介さんが、産業雇用安定助成金の要件や申請の流れ、提出書類、令和4年12月に新設されたコースおよび令和5年に新設される予定の新たなコースについて解説。
今回の産業雇用安定助成金に関するセミナーでは、講師に特定社会保険労務士で新労社代表、深石圭介先生にご登壇いただきます。