【2024年】健康経営優良法人認定制度の要件の変更点を解説

【2024年】健康経営優良法人認定制度の要件の変更点を解説

「健康経営優良法人認定制度」への申請数・認定数が増加し続け、世間の注目を浴びています。「健康経営銘柄2024」と「健康経営優良法人2024」の変更点とは?前年度からの変更点を中心に解説します。

目次[非表示]

  1. 1.健康経営銘柄2024と健康経営優良法人2024の変更内容を詳しく解説
  2. 2.健康経営優良法人認定制度とは、健康経営を実践している優良企業を顕彰する制度
    1. 2.1.大規模法人部門
    2. 2.2.中小規模法人部門
  3. 3.健康経営優良法人2023の認定状況
    1. 3.1.2023年の大規模法人部門における健康経営度調査の結果
    2. 3.2.中小規模法人部門の健康経営優良法人2023の申請・認定状況
  4. 4.健康経営優良法人の有効期間
  5. 5.健康経営優良法人2024の大きな変更点
    1. 5.1.情報開示の促進
    2. 5.2.社会課題への対応
    3. 5.3.健康経営の国際展開
    4. 5.4.フィードバックシートの交付
  6. 6.中小規模法人部門(ブライト500)選定基準の変更点
  7. 7.「健康経営銘柄」選定基準の変更点
  8. 8.健康経営の見える化には、無形資産の指標がカギ
  9. 9.健康経営指標として見なし得る無形資産の指標
  10. 10.健康経営においても、非財務情報の開示がカギとなる

健康経営銘柄2024と健康経営優良法人2024の変更内容を詳しく解説

コロナ禍を契機に、従業員の健康を中心とした環境改善を図る企業が増え、「健康経営」の言葉や考え方が広く浸透しました。健康経営に積極的に取り組む優良企業を認定する「健康経営優良法人認定制度」への申請数・認定数も、右肩上がりに増加しています。
そこで本記事では、「健康経営銘柄2024」と「健康経営優良法人2024」について、前年度からの変更点を中心に詳しく解説します。

健康経営優良法人認定制度とは、健康経営を実践している優良企業を顕彰する制度

健康経営優良法人認定制度とは、国民の健康寿命延伸と適正な医療提供に向けた課題解決を行う日本健康会議の取り組みにもとづき、「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」の中でも、特に優良な企業を顕彰する制度です。

ほかの企業の見本となるような取り組みをしている企業を顕彰して可視化することで、健康経営の実践に前向きに取り組む企業を増やす効果があるほか、顕彰された法人の社会的評価が高まります。
なお、健康経営優良法人認定制度は、企業の規模によって「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」の2つに大別されます。

大規模法人部門

従業員数が多く、規模が大きい企業を対象としているのが大規模法人部門です。製造業なら従業員数301人以上、卸売業や医療法人、サービス業なら従業員数101人以上というように、具体的な従業員数は業種や法人分類によってさまざまです。

大規模法人部門で健康経営優良法人に認定された企業のうち、上位500社は「ホワイト500」の称号が与えられ、企業名が公表されることでより社内外に与える好影響が大きくなります。
また、大規模法人部門の中でも特に高い評価を受けた上場企業については「健康経営銘柄」に選定され、投資家に企業価値をアピールすることができます。

中小規模法人部門

大規模法人部門が設定する従業員数に満たない企業や、資本金または出資金額が一定額以下の企業は、中小規模法人部門に区分されます。
中小規模法人部門で健康経営優良法人に認定された企業のうち、上位500社は「ブライト500」の称号が与えられます。

健康経営優良法人2023の認定状況

健康経営優良法人2023の認定にあたって、大規模法人部門に該当する企業は、経済産業省が実施する「健康経営度調査」に回答した上で、健康経営優良法人への申請を行う必要があります。なお、中小企業法人部門に該当する企業は、「健康経営優良法人認定申請書」に取り組み状況を記載すれば、健康経営優良法人認定審査への申請が可能です。

健康経営優良法人2023の認定に反映された健康経営度調査の大規模法人部門の結果と、健康経営優良法人2023の中小規模法人部門の申請・認定状況は、下記のとおりです。

2023年の大規模法人部門における健康経営度調査の結果

2023年の大規模法人部門における健康経営度調査では、日経平均株価を構成する225社の85%が回答をしており、高い回答率となっていることがうかがえます。また、健康経営優良法人2023として、大規模法人部門には2,676法人が認定されました。
なお、健康経営優良法人に認定されている法人で働く従業員数は約837万人であり、これは日本の被雇用者の約15%にあたります。 

【参照】経済産業省 商務・サービスグループヘルスケア産業課「健康・医療新産業協議会第9回健康投資WG事務局説明資料」|経済産業省(2023年7月)
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/kenko_iryo/kenko_toshi/pdf/009_02_00.pdf

中小規模法人部門の健康経営優良法人2023の申請・認定状況

中小企業部門における健康経営優良法人2023の認定数は、前年度の1万2,255件から1万4,012件へと大幅に増加し、前年比114%です。
この結果を見てみると、健康経営に関心を持ち、取り組みを始める企業が年々増加していることが分かります。コロナ禍を経て健康意識が高まる中、新たに健康経営に取り組む企業はますます増えていくでしょう。

福利厚生サービスを展開する心幸ウェルネス株式会社が実施した健康経営に取り組む経営者の意識調査でも、すでに健康経営に取り組んでいる企業の約8割の経営者が「健康経営への取り組みが業績の向上につながった」と回答しています。

【参照】経済産業省「健康経営度調査について」|経済産業省
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenkoukeieido-chousa.html


【参照】経済産業省「健康経営優良法人2023」認定法人が決定しました!」|経済産業省(2023年3月)
https://www.meti.go.jp/press/2022/03/20230308002/20230308002.html

【参照】心幸グループ「【<健康経営>に取り組む経営者の本音調査】約8割が健康経営施策が<業績向上につながった>と回答 <生産性の向上><優秀人材の採用><離職率の低下>などを実感」|心幸ウェルネス株式会社(2022年10月)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000097472.html

健康経営優良法人の有効期間

健康経営優良法人に認定された後、その効力が継続するのは1年間です。一度認定を受けたからといって、取り組みへの注力度合いを下げたり、取り組みをやめてしまったりすると、翌年度の審査では「健康課題の解決に向けた根本的な取り組みがなされていない」として、認定を受けられない可能性があります。継続的に健康経営優良法人の認定を目指す場合、長期的に企業の健康課題に取り組み、従業員の健康を維持する必要があります。

毎年アップデートされる申請までのスケジュールや評価項目、変更点などを確認して、計画的に施策を実行するようにしましょう。

健康経営優良法人2024の大きな変更点

2023年8月下旬、「健康経営銘柄2024」の申請受付が開始しました。また、「健康経営優良法人2024」も大規模法人部門と、中小規模法人部門いずれも開始しています。
大規模法人部門にて行われる「令和5年度健康経営度調査」の回答期間は、2023年10月13日(金)の17時まで、中小規模法人部門の申請期間は2023年10月20日(金)の17時までとなっています。
 
ここからは、健康経営優良法人2024と健康経営優良法人2023を比較して、変更点について確認していきましょう。
2024年における大きな変更点は、「情報開示の促進」「社会課題への対応」「健康経営の国際展開」の3つです。
 
【参考】経済産業省「「健康経営銘柄2024」・「健康経営優良法人2024」の申請受付開始!」|経済産業省(2023年8月)
https://www.meti.go.jp/press/2023/08/20230821001/20230821001.html

情報開示の促進

健康経営の質の向上を図るため、人的資本に関する非財務情報の開示・評価の動向を踏まえつつ、特定健診・特定保健指導の実施率や、業務パフォーマンス指標の測定および開示も評価対象となりました。さらに、労働安全衛生・リスクマネジメントの開示状況について問う設問が追加されています。

例えば、業務パフォーマンス指標の開示については「アブセンティーイズム(傷病による欠勤)」「プレゼンティーズム(出勤しているものの健康上の問題で完全な業務パフォーマンスが出せない状況)」「ワークエンゲイジメント(仕事へのポジティブで充実した心理状態)」のいずれかについて、直近の実績値および測定方法を開示し、その開示URLを回答していることがホワイト500の認定要件となります。

社会課題への対応

従業員の業務パフォーマンスを最大化し、組織の活力を高めるために、企業による社会課題への対応も問われるようになります。子育てや親の介護、女性特有の健康課題等による従業員の心身の負担などは社会的な課題となっています。その社会的背景を踏まえ、個別事情に応じた柔軟な働き方や生産性低下防止に関する設問が新たに追加されました。
生産性低下防止のための取り組みとしては、新たに花粉症および眼精疲労に対する具体的な支援も追加されています。

健康経営の国際展開

健康経営の国際的な普及促進の検討にあたり、海外駐在員や現地法人の健康増進、健康課題への対応状況について把握することを目的とした設問が新たに追加されます。
なお、この変更点に関しては、認定の評価には用いられない予定となっています。

フィードバックシートの交付

健康経営度調査に回答した法人(大規模法人部門)に対し、全法人における評価順位や偏差値等を記載したフィードバックシートの交付は前年同様引き続き行われます。

中小規模法人部門(ブライト500)選定基準の変更点

中小規模法人部門において、特に優れた企業に与えられる「ブライト500」の称号について、2023年から評価項目が追加されています。具体的には、従来の社外への情報発信に加え、PDCAの取り組み状況、経営者・役員の健康経営への関与度合いについても評価が行われるようになりました。

2024年においても選択項目は前年同様に15項目あり、そのうち13項目の適合が条件となることに変わりはありません。
また、これまで大規模法人を対象としていた評価順位や偏差値等を記載したフィードバックシートの交付が、今年度からブライト500申請法人に対しても行われます。
これは中小規模法人における健康経営のさらなる裾野拡大を目指すとともに、すでに取り組んでいる法人にとっても、より健康経営の取り組みを強化してもらうことを目的としたものです。

【参考】経済産業省「「健康経営銘柄2024」・「健康経営優良法人2024」の申請受付開始!」|経済産業省(2023年8月)
https://www.meti.go.jp/press/2023/08/20230821001/20230821001.html

「健康経営銘柄」選定基準の変更点

東京証券取引所の上場企業でないと選定されない健康経営銘柄ですが、「健康経営度が上位20%以内」の企業を候補としていた健康経営銘柄は、2023年から「健康経営優良法人(大規模法人部門)申請法人の上位500位以内」、かつ選定条件を満たしていて重大な法令違反のない企業が候補として選定されるようになっています。

また、申請する法人数の増加に伴い、健康経営銘柄のブランド価値を維持するため、1業種最大5枠までの制限を設けています。

「健康経営優良法人ホワイト500」と「健康経営優良法人ブライト500」の要件の変更と申請について詳しくは、ACTION!健康経営もご参照ください。

【おすすめ参考記事】

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健康経営の見える化には、無形資産の指標がカギ

企業の経営資産には、「ヒト」「モノ」「カネ」といった有形資産のほか、情報やブランド力、信用力、ノウハウ、スキルといった無形資産があります。従来、企業価値は有形資産を中心に測られてきましたが、近年は「人的資本」を含めた無形資産も含めて、包括的な評価がされるようになりました。

健康経営に取り組んだ成果として生じる、健康づくりに前向きな職場風土も無形資産のひとつです。従業員がお互いの健康に気を配っていたり、健康診断やストレスチェックなど産業保健活動への参加率が高かったりする企業は、健康経営によって良い風土が生まれ、その風土によって健康経営の成果が出やすくなっているといえるでしょう。健康課題が解消し、従業員がいきいきと働ける環境が構築されることによってステークホルダーからの評価が高まれば、株価の上昇や企業価値の向上も期待できます。

しかし、無形資産はその名のとおり形がなく、捉えどころがないものです。そのため、体感として「健康意識が高い」「みんなが元気に働いている」と感じられることはあっても、その状態を言語化・指標化して積極的に高めていくのは容易ではありません。
そこで役立つのが、健康・医療新産業協議会「第6回 健康投資ワーキンググループ」において、産業医科大学の森晃爾教授が挙げている「健康経営指標として見なし得る無形資産の指標」です。

健康経営指標として見なし得る無形資産の指標

  • Perceived Organizational Support:従業員は、ウェルビーイングの実現に向けた会社の支援姿勢を、どのように認知しているか?

  • Workplace Social Capital:従業員どうしの結びつきや信頼関係は、どの程度強いか?

  • Psychological Safety:従業員は、どの程度、職場で安心して自分の考えを述べることができているか?

    これら3つの指標は、パフォーマンス指標や離職意識など、経営指標の先行要因となることが分かっています。健康経営の評価を高めるための指標として活用し、開示情報の充実を図ってみてはいかがでしょうか。

【参考】経済産業省「第6回 健康投資ワーキンググループ」|経済産業省(2022年9月)
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/kenko_iryo/kenko_toshi/006.html

【参考】産業医科大学 産業生態科学研究所 産業保健経営学研究室「健康経営の今後のチャレンジ 健康経営の成果開示に関する私見」|産業医科大学(2022年9月)
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/kenko_iryo/kenko_toshi/pdf/006_s02_00.pdf

健康経営においても、非財務情報の開示がカギとなる

人材を資本として価値を高め、企業価値向上につなげる人的資本経営に注目が集まる中、企業の無形資産である人的資本情報の開示が求められるようになりました。健康経営の取り組みにおいても、業務パフォーマンスや職場風土といった無形資産をステークホルダーに向けて開示することが重要です。

また、子育てや親の介護、女性特有の健康課題等による従業員の心身の負担などは社会的な課題となっています。企業もそれらの社会的背景を踏まえ、柔軟な働き方や生産性低下防止への取り組みが必要となってくるでしょう。
そのため、これからの企業は中長期の経営戦略と健康経営戦略とを連動させ、経営視点で健康経営を実践していくことが求められていきます。

健康経営を推進する上での困り事があれば、「マイナビ健康経営」にご相談ください。
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