用語集

過労死白書

読み:かろうしはくしょ

過労死白書とは、過労死等防止対策推進法第6条にもとづき、政府が国会に毎年報告を行う年次報告書です。

日本社会における過労死にまつわるデータや過労死の問題が生じる背景などを取りまとめて、働き方や職場環境の改善を進めることを目的に作成されています。また、政府が過労死などの防止のために講じた施策の状況も取りまとめられています。

厚生労働省は、「令和5年版過労死等防止対策白書」の主な内容として、下記の3つのテーマを挙げました。

 

<令和5年版過労死等防止対策白書の主な内容>

  1. 「過労死等の防止のための対策に関する大綱(2021年7月30日閣議決定)」にもとづく調査分析として、睡眠の不足感が大きいと疲労の持ちこし頻度が高くなり、うつ傾向・不安を悪化させ、主観的幸福感も低くなる傾向があること、芸術・芸能分野における働き方の実態、メディア業界や教職員の労災事案の分析結果等について報告。
     
  2. 長時間労働の削減やメンタルヘルス対策、国民に対する啓発、民間団体の活動に対する支援など、2022年度の取組を中心とした労働行政機関等の施策の状況について詳細に報告。
     
  3. 企業や自治体における長時間労働を削減する働き方改革事例やメンタルヘルス対策、産業医の視点による過重労働防止の課題など、過労死等防止対策のための取組事例をコラムとして紹介。


【参照】

 
<監修者>
丁海煌(ちょん・へふぁん)/1988年4月3日生まれ。弁護士/
弁護士法人オルビス所属/弁護士登録後、一般民事事件、家事事件、刑事事件等の多種多様な訴訟業務に携わる。2020年からは韓国ソウルの大手ローファームにて、日韓企業間のM&Aや契約書諮問、人事労務に携わり、2022年2月に日本帰国。現在、韓国での知見を活かし、日本企業の韓国進出や韓国企業の日本進出のリーガルサポートや、企業の人事労務問題などを手掛けている。

 

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